木を選び、住まいとして完成するまで、「匠」の誇り
木の持つ本来の性能をしっかり生かすためは、大工技術が必要です。北沢建築では、若手からベテランまで社員大工が多く在籍。建材カタログからつくられる住まいではなく、建具や台所にも大工技術を必要とする住まいづくりが私たちの特徴です。私たちが、住まいづくりに地域の木材を使うことと共に大事にしているのが「手刻み」です。設計図面確定後その図面をもとにして、大工の技量を問うといわれる「墨付け」を、加工場で社員大工が行います。完成後は見えなくなってしまう部分ですが、墨付けは精度を左右する最も重要な工程の一つです。骨組みの合わせを決め、木材を選別して捩れや曲がり、歪みを調整し、一本一本材の性格を見極めながら、墨で印をつけ、やがて「手刻み」へと進みます。手刻みによる伝統的な仕口・継ぎ手は、梁や柱をしっかりとつなぎ合わせ、耐震力を高めます。そして、加工した材料は現場に搬入し、大工自らの手で組み立て、上棟を迎えます。木を選び、住まいとして完成するまで、「匠」の誇りが高い品質を維持しています。
シンプルで美しい木造設計と、大工技術を全面に出して家づくりに取り組む北沢建築の意思表示ともいえる木造の加工場です。
事務所に併設された加工場は、古来より大工の基本となる技術「在来工法」を応用し、住宅と同じ断面材料で厳密な構造計算のもと構成された木組みは、弊社の住宅設計の根底にある「シンプルで美しい」という機能美をご覧いただけます。
この晴れの舞台を社員大工自ら施工し、そして大切なお客様の家の材料をここで加工しています。
意匠設計 Ms建築設計事務所/MSD三澤文子x北沢建築設計部
構造設計 東京大学准教授 稲山正弘 +東京大学稲山研究室
施 工 株式会社北沢建築
長野県産材+OMソーラーでつくる心地よい空間
このモデルハウスは、 県産材率96%、太陽光発電と発電時の廃熱と太陽の熱を利用したOMソーラーを利用して、環境にやさしく、高品質・高耐久の家と公的に認められた「CASBEE」(建築物総合環境性能評価システム)の、戸建て住宅で最高ランクのS評価をいただきました。
構造の柱には木曽檜、梁は南信濃遠山杉を使い、外壁は杉板張りと火山灰を原料にした塗り壁。室内の床は、信州カラマツの合版の下地に、1階はブナ、2階はカラマツ、天井は遠山杉で仕上げ、室内の壁は凛とした漆喰塗りです。
※モデルハウスの一部は国土交通省の 平成20年度地域住宅モデル普及推進事業 により整備されました。